特に「声優になりたい!」と志している人にとって、マウスプロモーションはとっても気になる声優事務所なんです。
そこで、マウスプロモーションの特徴や魅力、どんな声優事務所なのかをお話していきたいと思います。
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マウスプロモーションってどんな声優事務所なの?

マウスプロモーションは1974年に設立された老舗の声優事務所です。
設立当初は「江崎プロダクション」という会社名でスタートし、2000年に現在の「マウスプロモーション」となりました。
東京都新宿区に事務所があり、所属声優は約170名います。
映画の吹き替えに強いマウスプロモーション
マウスプロモーションと言えば、外国映画の吹き替えに強いことで有名です。
映画の吹き替えは「生きている人間に声をあてる」技術なので、とても高い演技力が要求されます。
声優の仕事の中では、映画の吹き替えは難易度が高い部類に入るため、「マウスプロモーション=演技派プロダクション」と評価されるのはそういった点にあります。
映画の吹き替え配役に起用されるには、実績以外にもコネや人脈が必要とされる場合があります。その点マウスプロモーションは映画業界とのつながりがとても強いといえます。
もちろん、アニメやゲーム分野で活躍する声優さんがたくさんいます。
それではマウスプロモーションを代表する所属声優を紹介します。
マウスプロモーションの所属声優
アニメ業界でもマウスプロモーションの声優はひっぱりだこです。
大谷育江さん | 「ポケットモンスター」ピカチュウ役、「ONE PIECE」チョッパー役など |
岡村明美さん | 「ONE PIECE」ナミ役、「紅の豚」フィオ・ピッコロ役 など |
田中敦子さん | 「ジョジョの奇妙な冒険」リサリサ役、「呪術廻戦」花御役など |
加隈亜衣さん | 「ヒーリングっど♡プリキュア」ラビリン役、「転生したら剣でした」フラン役など |
河西健吾さん | 「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」三日月・オーガス役、「鬼滅の刃」時透無一郎役など |
他にも紹介しきれないほどの声優さんがさまざまな役を演じています。
マウスプロモーション附属俳優養成所
マウスプロモーションには直接運営する声優養成所があります。
マウスプロモーションに所属したいと思う声優志望の人は、こちらの養成所に入所することから始めなければいけません。
以前は他の声優専門学校や劇団で1年以上演技の勉強をした「経験者」でないと応募できなかったのですが、2020年以降は経験不問となりました。
マウスプロモーションの自社スタジオ・「スタジオマウス」
マウスプロモーションは自社スタジオを持っていることでもよく知られています。
これまで「鬼滅の刃」や「ジョジョの奇妙な冒険」など、いろんな作品の音響制作を行ってきました。
スタジオマウスはアニメ・ゲームなどの音響制作以外にも、養成所のレッスンとしても使用されています。実際の収録現場で勉強できるというのは生徒にとって大きな利点ですね。
授業中の一コマ📷#小形満 講師のアニメアフレコ授業を行いました🎙
コロナ禍の為、少人数での授業とはなりますが、弊社 #養成所 では一年次から実際に使われる収録スタジオを使用し授業を行っております✨✨#マウス養成所 #声優 pic.twitter.com/UpFZihMTmL
— マウスプロモーション附属俳優養成所 (@mausu_youseijyo) November 2, 2022
マウスプロモーションの評判

マウスプロモーションについての評判ですが、事務所に信頼を寄せる声や所属声優を心配する声などさまざまです。それだけファンから期待されている声優事務所と言えます。
さきほどお話したように、以前のマウスプロモーションの養成所は経験者でないと応募できませんでした。
養成所に入れたとしてもその中で事務所に所属できるのは実力が認められたわずかな人だけです。
おのずとプロ中のプロだけがマウスプロモーションに残るシステムになっています。
次はこんな評判です。
声優にとって「個性のある声質」は大切ですよね。そんな個性ある声の代表がピカチュウのかわいい声で有名な大谷育江さんです。
ピカチュウを演じる所属声優の大谷育江さんは、2001年頃に体調不良で仕事をお休みされたことがありました。
本来ならピンチヒッターとして別の声優にピカチュウを演じてもらうはずでした。しかし、ピカチュウの声は代役を用意することなく、過去のサンプリングを使用したという逸話があります。
大谷さん以外の声優がピカチュウを演じる事は不可能だったというお話です。
他にはこんな声もあります。
マウスプロモーションではデビューするまでに時間がかかるのでそう思われるのかもしれません。
マウスプロモーションに所属している声優は、高校卒業(18歳)→専門学校(2年)→養成所(2年)というプロセスを通ってきた人が多いです。
そのため順調に事務所に所属できたとしても、早くて22~23歳です。実際、養成所の平均年齢は22~24歳です。
若手が育っていないというよりも、育てるまでに時間をかけているということですね。
他にはこんな心配する声もあります。
これはマウスプロモーションに限ったことではなく、他の声優事務所でもよくある話です。
声優が事務所を移籍するときどういった事情があるんでしょうか?
- 別の事務所の方が自分のやりたい分野の仕事を多く扱っていた
- ギャラやマージンの問題
- 信頼していたスタッフが他の事務所に移ったので一緒に移籍した
など、他にもさまざまありますが、一番多い理由が上の3つです。
マウスプロモーションの場合、名前の知られた中堅レベルの人が移籍することがあったので移籍者が多いといった印象をもたれたのかもしれません。
また、河西健吾さんなど、他の事務所からマウスプロモーションに移籍してこられた人も大勢います。
マウスプロモーション付属俳優養成所に入るには

マウスプロモーションに所属するには、まずは養成所に入所する必要があると先ほどお話しました。
養成所についてもう少し詳しく説明したいと思います。
マウスプロモーション養成所の授業内容
マウスプロモーションの養成所にはこんな特徴があります。
- 現場と同じ環境で研修を行われる
- 声優に求められる「資質」「理解力」「演じる力」をアテレコ授業、声と体作り、演技の3つの授業から学んでいく
- 養成所に在籍中でもアニメや外画、PRフィルム、ナレーション等の仕事をするチャンスがある
- 講師は全員、第一線で活躍する声優やその業界のプロなので、現場の「今」を知ることができる
養成所の期間は2年間で、授業は週2~3コマあります。(1コマ2時間)
養成所ではこんな授業が行われます。
【授業内容】
- アテレコ実習(外画・アニメ・ドラマCD)
- 声と体作り
- 演技
- 特別授業(所属役者)
- 選択授業(殺陣・落語・ダンス・歌唱)
- ナレーション授業(2年次のみ)
- マネージャー授業(2年次のみ)
マウスプロモーションでは「声だけで芝居をするのではなく、身体で芝居が出来る声優、役者」を育てることを目的としているので、声以外の演技や殺陣の授業もあるんですよ。
教えて下さる講師には
谷育子さん、森田順平さん、大川透さん、
など現役の声優さんがズラリ勢揃いです。
マウスプロモーション養成所への応募方法
まずは応募方法を確認しましょう。
- マウスプロモーション養成所の公式サイトより資料PDFをダウンロード
- 資料の内容に従って必要書類などを用意する
- 郵送で応募する
【必要書類】
- 84円切手:10枚
- ダウンロードした履歴書(B4サイズで印刷)
- 作文:(テーマは「あなたが声優を志した動機、マウスプロモーションを選んだ理由、人間として大切にしているモットーは何か」の3点について)B4サイズの400字詰め原稿用紙1~2枚
- 84円切手を貼った長3サイズ(横120㎜×縦235㎜)の返信用封筒(封筒の表に書類の返送先住所・氏名を記入しておく)
【応募書類の宛先】
〒160-0022
東京都新宿区新宿6丁目25番地14号 M2ビル アネックス1F
株式会社マウスプロモーション 附属俳優養成所 宛
そして応募資格・応募日程は以下の通りです。
応募資格 | 17~27歳の男女 |
募集定員 | 既定の人数(未成年者は保護者の同意が必要) |
応募期間 | 11月~1月まで |
試験日程 | 2月中旬 |
受験料 | 6,000円(税込) |
公式サイトでは募集定員に具体的な人数は記載されていませんが
1年目は1クラス20名×5クラス=100名
2年目は1クラスのみの20名
がおおよその定員です。
2年目に上がれるのはごくごく少数ということがわかります。
その後、養成所から「受験票」が送付され、所定の日に入所試験が行われるといった流れです。
マウスプロモーション養成所のオーデイション

残念ながら、マウスプロモーションでは養成所に入所するためのオーデイションの内容を公表していません。
「入所オーデイションの際、講師の前で掛け合いの芝居をした」といった話はありますが、養成所が公式で試験内容を発表していません。
一般的に声優養成所に入るための試験内容は
- 書類審査
- ボイスサンプル・テープ審査
- 実技審査(朗読・セリフ演技)
- 面接・自己PR
といったものが多いです。
マウスプロモーションに特化したところでは、挨拶など社会人としてのマナーがあるかどうかも審査対象です。
マウスプロモーションは養成所の頃から仕事の依頼がある環境なので、いつでも現場対応できるような人物でないと困るからです。
また、マウスプロモーションに所属している人の経歴からわかるように、色んな専門学校の優秀な生徒でないと受からないのも事実です。
マウスプロモーション養成所の学費

2年間の養成所所属にかかる費用は以下の通りです。
入所金 | 165,000円(税込) |
授業料(1ヵ月) | 25,300円 /月(税込) 3ヵ月毎の前納制 |
合格して最初に必要な費用 | 165,000円+75,900円=240,900円(税込) |
入所以降3ヵ月毎の費用 | 75,900円(税込) |
※ 他に選択授業で使用する稽古着や道具などの費用(約10,000円)が必要です |
実際の収録スタジオを使用して、実践的なレッスンを受けられることを考えると、お値段以上です。
マウスプロモーションのマネージャーも、養成所のイチオシポイントとして
「クオリティや密度から考えると、授業料がとても安いです。」
と太鼓判を押しています。
養成所の合格率

マウスプロモーションでは合格率に関しても公表はしていません。
一般的な声優養成所のオーデイション倍率は3~5倍と言われています。
ですが、人気のある養成所や少人数しか採用しない養成所では10~20倍になります。
マウスプロモーションは大手声優事務所ですし、応募者に経験者が多いことからハイレベルな競争になることは間違いないです。
マウスプロモーションで声優になるための倍率

それでは、養成所から晴れてマウスプロモーションの所属声優になった人は、一体どのくらいの倍率をくぐり抜けてきたのでしょうか。
養成所の2年目では20人前後まで絞られていますが、そこから事務所に所属できるのは、毎年0~10人くらいです。
所属声優の井上雄貴さん、田中貴子さんが在籍していた30期生(平成29年卒)のときは、9名が所属できました。
声優の田中貴子さんは
養成所の同期の子で、マウスに所属できなかった子も「マウスの授業受けたのは全然無駄じゃない」って言っていました。
もし受からなくても、本当に行って良かったと思える養成所です。
ここで勉強したことが自分の実になったと言う子ばかりでした。
と話しています。
それに、マウスプロモーションに所属できなかったとしても別のプロダクションの門を叩く人も大勢います。
どうしてもマウスプロモーションで声優を志したい人は、養成所の入学試験から再度チャレンジする人も中にはいます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
マウスプロモーションは信頼できる声優事務所です。その理由は
- マウスプロモーションは歴史があり、高スキルが必要な外画の仕事をメインに請け負う声優事務所だった。今はアニメやゲームなどの仕事もたくさん扱っている
- 自社スタジオを所有しているので、実際の現場でレッスンを行っている
- 養成所生でも実力があれば色んな仕事をさせてもらえる、そのために普段のレッスンも実践的なものが多く、いつ仕事が入っても大丈夫な体制がとられている
といった点にあります。
声優業界では誰もが一目を置くプロダクションなだけはありますね。
声優を目指すならば、受かる受からない関係なくマウスプロモーションのオーデイションに挑戦することで得られるものがたくさんあります。
マウスプロモーションで薫陶を受けた声優の躍進ぶりを見ていると、一流の声優を育成するための事務所であることがわかっていただけたかと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。