2022年11月、東京都内で「第9回東宝シンデレラオーディション」グランプリ&受賞者発表会が行われました。
受賞すれば大スターになれること間違いなしの「東宝シンデレラ」オーディションを主催しているのは「東宝芸能」という芸能プロダクションです。
スターだらけの「東宝芸能」とは一体どんな芸能事務所なのか、「東宝芸能」に入るにはどうすればよいのかこれからお話していきたいと思います。
Contents
東宝芸能に入るには

もしあなたが「今すぐ東宝芸能のオーディションを受けたい!」と思っても、残念ながら東宝芸能は常時オーディションを開催していません。
芸能事務所では随時新人タレントを募集しているところが多いのですが、
- 東宝芸能はたくさんの所属タレントを抱えている、大所帯の事務所ではない
- 「金の卵」を見つけ出し、事務所がじっくり時間をかけて大スターに育て上げるので、次々と新人タレントを輩出していくタイプの経営をとっていない
といった理由で、少数精鋭でタレントを育てる事務所なんですね。
また、東宝芸能にはスカウト部門がありません。
信頼できるルートからの紹介や、事務所がSNSなどをチェックして、「この子は!」と思った場合はコンタクトをとる事はあるのですが、街中でスカウトマンが声をかけるといった方法はとっていません。
そのため、東宝芸能に所属しているタレントのほとんどは、あのオーディション出身者です。
それが「東宝シンデレラオーディション」です。
「東宝シンデレラ」オーディションはこんなにスゴイ

突然ですが、あなたは「日本・三大オーディション」をご存じですか?
実はあるんです、それは…
「ホリプロ」主催の「ホリプロスカウトキャラバン」
「オスカープロモーション」主催の「全日本国民的美少女コンテスト」
そして
「東宝芸能」主催の「東宝シンデレラオーディション」‼
なんです。
2022年、東宝創立90周年を記念して、6年ぶりに「東宝シンデレラ」オーディションが開催されました。同時に男性部門「TOHO NEW FACE」オーディションも行われました。
コロナ禍で久しぶりに行われた大々的なイベントということもあり、マスコミや芸能界では未来のスター誕生に大いに盛り上がりました。
東宝創立90周年を記念して開催された、第9回「東宝シンデレラ」オーディションではグランプリに白山乃愛さん(受賞時の年齢10歳)が選ばれました。
https://twitter.com/TCNA2022/status/1590568228270772224?s=20&t=jL8gjHnr2hv5aJxeUA3q0g
また、同時に開催された「TOHO NEW FACE」オーディションでは、小谷興会さん(受賞時年齢11歳)が選ばれました。
https://twitter.com/TCNA2022/status/1590569495294521344?s=20&t=jL8gjHnr2hv5aJxeUA3q0g
これまでの受賞者
第1回「東宝シンデレラ」オーディションが開催されたのは1984年です。
これまでに数々の大スターを輩出してきたこのオーディションですが、主な歴代の受賞者はこの方々です。
開催年 | グランプリ受賞者 | その他受賞者 | |
第1回 | 1984年 | 沢口靖子 | 斉藤由貴(ファイナリスト) |
第2回 | 1987年 | 小高恵美 | 水野真紀(審査員特別賞) |
第3回 | 1991年 | 今村恵子 | |
第4回 | 1996年 | 野波麻帆 | |
第5回 | 2000年 | 長澤まさみ | |
第6回 | 2006年 | 黒瀬真奈美 | |
第7回 | 2011年 | 上白石萌歌 | 上白石萌音(審査員特別賞)
浜辺美波(ニュージェネレーション賞) |
第8回 | 2016年 | 福本莉子 | |
第9回 | 2022年 | 白山乃愛 |
東宝芸能の男性オーディション「TOHO NEW FACE」
東宝芸能では過去に「東宝ニューフェース」というオーディションを開催していました。
故三船敏郎さんや故宝田明さんを輩出した由緒あるオーディションだったのですが、半世紀以上開催されることがなかったので知らない方も多いかと思います。
ですが、この度54年ぶりに「TOHO NEW FACE」として2022年に復活したんです。
そのグランプリ受賞者が先ほど紹介した小谷興会(おだにこうえ)さんです。
最後に開催されたのが1968年だったとは驚きですね。
東宝芸能が今後、女優だけでなく男性俳優も前面に押し出してくることが予想されます。
「東宝シンデレラ」オーディションに応募してみたい!

もちろんオーディションが開催された時には大々的に出場者募集を行っています。
ただ、「東宝シンデレラ」オーディションは不定期開催なので、次はいつ開催されるのか未定なんです。
3~6年に1回の間隔で行われてきましたが、実際その年になってみないと行われるのかがわからないのが実情です。
日本を代表するオーディションということもあり、莫大な費用がかかるのも頻繁に開催されない理由の1つです。
しかし、ダイヤの原石を見つけるためにはこのオーディションしかないと東宝芸能は一貫しているので、次の第10回目も必ず開催されると思います。
応募資格やオーディション内容
第9回目のオーディションでの応募資格は次のとおりでした。
対象年齢 満10歳~22歳までのの女性
東宝芸能と専属契約を結ぶことができる
(18歳未満の方は所定の保護者同意書が必要です。)
- 開催年によって、対象年齢が変わることがあります(過去には9歳~18歳までというときもありました)
- グランプリと審査員特別賞以外にもその年によって「ニュージェネレーション賞」、「アーティスト賞」、「ミュージカル賞」など別の枠が設けられることもあります。
実際にオーディションを受けるのは10代前半の女の子が多い傾向にあります。
第9回のオーディションスケジュールは以下の通りでした。
web上から応募する(4月から応募START)
↓
第一次審査・面接(7月)
↓
全国6地区(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡)で第2次審査・面接(8月)
↓
東京・大阪の2会場で第3次審査・面接(9月)
↓
東京で2泊3日の合宿審査で演技・ダンス・歌のレッスン(10月)
↓
最終審査・都内でグランプリ&受賞者発表会(11月)
グランプリ受賞者には賞金300万円と副賞にセイコーウォッチ「グランドセイコー」が送られます。
また、映画・ドラマ・ミュージカルへの出演が約束されています。
グランプリ受賞者は受賞後すぐにテレビ出演があったりと、他のオーディションとは比較にならないくらいの注目度です。グランプリを獲得したその日から芸能人としての人生がスタートします。
オーディションの審査基準
結論からいうと、東宝芸能がオーディションで最も注目しているのは「品の良さ」です。
「東宝シンデレラ」といえば、「上品で清純」といったイメージが強いですね。
東宝の企業理念が「朗らかに、清く正しく美しく」(創業者・小林一三の言葉)なんですが、東宝関係者はあらゆる場でこの社是を披露しています。
オーディション会場でも社長の池田篤郎氏が紹介していました。
「東宝」の名にふさわしい「清らかな」「品の良さ」をもっていることが最重要です。
そして、どちらかというと「映画女優志望」が有利だと思われます。
将来、歌手やモデルになりたいと思う人が対象外というわけではありません。
東宝芸能は映画会社から生まれた芸能事務所なので、新人を見たときに、「どういう俳優に育てよう」と将来像のイメージが持ちやすいのです。
オーディションの雰囲気
実際、「東宝シンデレラ」オーディションがどんな雰囲気で行われているのか気になりませんか?
むしろそれとは逆で、「東宝シンデレラ」オーディションではライバル同士が助け合う光景をよく目にします。
第7回の合宿オーディションでは、上白石萌音さんが困っている子たちに声をかけたりという場面もありました。
当時同じオーディションを受けていた浜辺美波さんがダンスに苦戦しているところを、萌音さんが励ましていたこともあったんです。
他にも第8回グランプリ受賞者の福本莉子さんも
「みんなで1つの目標に向かって頑張ろう!という雰囲気でした。みんな受かりたい気持ちはあっただろうけど、蹴落としてやるみたいなギラギラした感じはなかったです。」
とおっしゃっています。
全く怖い雰囲気ではないので安心してください(笑)
一般的にオーディションの内部情報は公開されていないのですが、過去の受賞者さんたちが雑誌やテレビのインタビューでお話されていることもあります。
上白石萌歌さんにとって一番思い出深いのは「合宿オーディション」だったそうです。3日間ずーっと審査員などの大人に見られ続けている状態で、とても緊張したんだそうです。
自己PRでは審査員の印象に残るように、好きな食べ物は「納豆」だと答えたそうです(笑)
萌歌さんが選ばれた理由は「彼女はいつ見ても笑顔だった」と後日、事務所が話しています。
基本ですがやっぱり笑顔が大事なんですね。
最終審査で行われる壇上スピーチでのことでした。
まだ小学4年生だった浜辺さんはこのオーディションで初めてパンプスのような大人が履く靴を履き、壇上に上がることになりました。
無事スピーチを終え、ホッとしたのもつかの間、帰り際に履きなれない靴が脱げてしまい、手に靴を持って退場したそうです。
大事な最終オーディションで大失敗してしまい、マイナス審査をされるのではと心配したそうですが、「本物のシンデレラがガラスの靴を落としたストーリーと重なるね」と逆に褒められたんだそうですよ。
「東宝シンデレラ」オーディションの合格率

「東宝シンデレラ」のような大規模オーディションになってくると、応募する人の数も桁違いです。
過去の応募総数・倍率を見ていきましょう。
グランプリ受賞者 | 受賞人数 | 応募総数 | 倍率 | |
第5回 | 長澤まさみ | 2名 | 35153名 | 17576倍 |
第6回 | 黒瀬真奈美 | 3名 | 37443名 | 12481倍 |
第7回 | 上白石萌歌 | 7名 | 44120名 | 6303倍 |
第8回 | 福本莉子 | 7名 | 9508名 | 1359倍 |
第9回 | 白山乃愛 | 3名 | 12701名 | 4234倍 |
高い倍率に驚きですが、東宝芸能では応募してくれた1人1人に対して、しっかり丁寧な審査をすることを心掛けています。
事務所の威信がかかっているオーディションなので、人数が多いからといって書類審査だけで応募者をよく見ずに落とすなんてことはしていません。
応募する人もぞんざいな扱い方をされる事務所よりも、東宝芸能のようにきちんと審査してくれる事務所の方が良いのではないでしょうか。
東宝芸能のレッスン費用

「東宝シンデレラ」オーディションで受賞した人たちは、その後レッスンを受けることになります。
気になるレッスン費用ですが、
東宝芸能は「所属費無料」「宣材費無料」ということなのでもちろん「レッスン費用」も無料です。
東宝芸能が自社主催のオーディションで発掘した、若い才能を長い時間をかけて大事に育成することは業界では誰もが知っていることです。
もしも、俳優を顧客か何かと考えている事務所であれば、そういった手間ひまをかけた育成方針は取らないはずです。
そもそも東宝芸能では「所属俳優にレッスン費用などを支払わせる」という考えを、持っていないことが伺えます。
芸能プロダクション「東宝芸能」の特徴

それでは「東宝芸能」とは一体どんな芸能事務所なんでしょうか。
東宝芸能はあの映画会社「東宝」が100%出資した芸能プロダクションです。
事務所設立はなんと!1963年です。60年以上の伝統ある事務所なんです。
そのため日本の映画界をけん引してきた、往年の銀幕スターを数々誕生させています。
映画会社の子会社ということもあって、現在も多くの有名俳優さんが所属しています。
東宝芸能の所属俳優
こちらの皆さんは紹介するまでもなく、映画やテレビで活躍している言わずと知れた東宝芸能所属の俳優さんです。東宝芸能には他にもたくさんのスターが在籍しています。
沢口靖子 斉藤由貴 長澤まさみ 浜辺美波
高嶋政宏 高嶋政伸 上白石萌歌 上白石萌音
芸能界では欠かすことのできない俳優が勢揃いです。
そこが東宝芸能のすごいところなんです。
主役級の配役を演じるには美しい、カッコいいだけではさすがに無理です。
画面の真ん中に堂々と立って、ベテラン俳優と渡り合えるような演技力を持った俳優を長年輩出しているのが東宝芸能なんですね。
東宝芸能は映画俳優だけではない
映画会社から生まれた芸能プロダクションということもあり、俳優育成に重きを置いているのが以前の東宝芸能でした。
近年は少し変化しています。
所属タレントが映画俳優だけでなく、ミュージカルやモデル、声優、アーティスト、文化人といった他のエンターテインメントでも活躍できる人が目立つようになってきました。
今のタレントさんは、演技ができて、司会もやって、歌も歌えて、ファッションショーにも出演して…と、マルチな活躍を求められています。
東宝芸能も所属俳優にいろんなお仕事をチャレンジさせているということです。
芸能界ではモデルやタレントが俳優に転身することも一般的なことです。
生粋の映画俳優を育てつつ、他のエンターテインメントでも活躍できるようにプロモーションしているのが今の東宝芸能です。
東宝芸能の評判

あなたは東宝芸能の女優さんと言えばどんなイメージがありますか?
多くの皆さんが持つイメージ通り、東宝芸能の女優は「品の良さ」を求められます。
ただ、業界内では少し違った評判も耳にします。
東宝芸能の女優は「上品」なだけではないそうです。
たとえば、
と、一緒に仕事をするスタッフからは「すごく良い子だなぁ」という意見が多数です。
それは、事務所の影響が大きいからだと言えます。
東宝芸能はオーディションの前から俳優の内面性をものすごくチェックします。
次にご紹介するのは東宝芸能のマネージャーさんのインタビューです。
マネージャーさんがSNS上で「東宝シンデレラ」オーディションの参加者候補を探すことがあります。候補者を探すときにどんなところに着目しているのでしょうか。
SNS上で探すときに重視するのは「自宅や家族の前での様子です。基本的に弊社(東宝芸能)では、礼儀や品格も大事にしたいと考えているので、「家庭の雰囲気」や「ペットをどれだけ大切にするか」といった性格も拝見します。
俳優の前に人間としての大切な芯を持った上で、そこから才能を育てるからこそ、
「お茶目な恋人から凶悪な犯罪者の役」まで説得力をもって演じられると思うんです。
顔の造形やスタイルなどの外見を踏まえつつ、周りの人への接し方や何気ない仕草など、どんな内面性をもつ人物なのかということをとても重視しています。
どれだけ見た目が良くてもそれだけでは長く愛される女優になれないと東宝芸能は考えているんですね。
東宝芸能の女優が業界内でも評価が高いのは事務所の教育方針の賜物だと言えます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事では
- 東宝芸能は映画会社から生まれた俳優中心の事務所ではあるが、最近は俳優だけでなくマルチな活動ができるタレントも求めている
- 東宝芸能は一般公募を行なっておらず、女性は「東宝シンデレラ」オーディション、男性は「TOHO NEW FACE」オーディションに応募し、受賞しないと所属できない
- 所属費用や登録料・レッスン料などの費用はかからない
- 東宝芸能に所属するには「品の良さ」を求められる
といった内容をお話しました。
「息の長い俳優を育てたい」という熱意が感じられる芸能プロダクションだということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
所属タレントが事務所を信頼し、事務所側もタレントを大切にしているので、双方の良好な関係性がタレントの好感度にも表れています。
「長澤まさみさんのような女優になりたい!」
「上白石萌歌ちゃんみたいにドラマに出てみたい!」
と夢をもっている方は是非とも次回の「東宝シンデレラ」オーディションにエントリーしてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。